シリア難民の少年、レバノンで先生と二人三脚で算数を学ぶ

シリアから逃れたレバノンの学校で、クラスメイトに算数を教えるアベド
© UNHCR/Dalal Mawad

木の長机に座って算数の問題の解き方をクラスメイトに教えているのは、2011年にシリアから逃れてきた少年アベド(12)。今はレバノン南部サラファンドで、シリア人、レバノン人の子どもたちと机を並べて学校で勉強しています。

「論理的思考で数字を分析することができるんです。この年齢の子にしては飛びぬけた能力があります」

レバノン人の教師アバス(26)はそう話します。校内でトップを争うほどの成績のアベドの才能を見出したのは、現地NGO「Teach for Lebanon(TFL)」に所属するアバス。国籍や生まれ育ちに関係なく、子どもたちの才能を最大限生かし、学校間の教育格差をなくすことを目指して活動する団体です。

現在、世界には560万人以上のシリア難民が暮らしています。うち260万人は子どもで、医療や教育など基本的なサービスが十分に行き届いていません。UNHCRの発表では、小学校に通う子どもの割合は世界全体で92%に対し難民の子どもは61%。また、中学校に関しては世界で84%、難民の子どもはわずか23%です。

「先生と出会って僕の人生は変わりました」

アバスに教えてもらうことで、自信をもつことができたというアベド。インドとアメリカで開催された学生による国際会議の代表に選ばれましたが、残念ながら、難民という立場のため渡航がかないませんでした。

アバスはアベドの家を頻繁に訪れ、父親とも信頼関係を築いています。子どもだけでなく、家族ともコミュニケーションを欠かさないことが大切だと話します。

授業が終わると、先生も生徒も関係なく、みんなで校庭でサッカーを楽しみます。子どもたちにとっては、アバスは先生というよりも友達のような存在。先生自身も、子どもたちを通して、この世に不可能なことは何もない、難しい状況でも希望を持つことができることを感じています。

将来の夢は科学者になることー。

「絶対にあきらめないこと、他人を助けることの大切さを教わりました。いつかきっとシリアに戻って、自分の生まれた国を輝かせたいです」

自作の小さなわたあめ製造機を見せながら、アベドはそう語ってくれました。

 

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