本好きのシリア人のために-イスタンブールにアラビア語図書館を開設

自分たちで経営するブックカフェで。「たくさんの本に囲まれて幸せ」と話すナダとモハマド
© UNHCR/Claire Thomas

シリア難民のナダ(27)がイスタンブールに来たのは4年前のこと。到着してすぐに、何よりも恋しくなったのは“本”でした。

「アラビア語の本を一冊も見つけられなかったのです」

本好きだったナダは海外からの寄付で200冊を手に入れ、図書館をつくることにしました。

最初は周りの友達のためだけに開いていたこの図書館。少しずつコレクションも増えていったころ、友達の後押しもあり、ナダは他のシリア難民にもオンラインでも本を貸し出し始めました。

「トルコは私にとって理想の場所でした。街の雰囲気は現代的で、みんなが偏見なく接してくれます。だから私は、このライブラリープロジェクトを始めることもできたのです」

ナダはシリアの大学で心理学を勉強していましたが、情勢が悪化し、トルコに一人で逃げてきました。現在世界で最も多い数の難民を受け入れているトルコ。難民のうち350万を超える人々は、7年にわたって続いてる紛争を逃れてきたシリア難民です。

“本”を通じて、ナダは生涯のパートナーにも出会いました。ビジネスパートナーで、婚約者でもあるシリア難民のモハマド(27) は、イスタンブールのブックフェアでナダから図書館プロジェクトについて聞き、とても感銘を受けたといいます。

そして昨年、彼らは2人でイスタンブール市内に小さな本屋とカフェをオープンしました。 マーケティングの知識があるモハマドは、ビジネスを拡大するうえでも頼もしい存在です。昨年末にはUNHCRから資金援助を受けることができ、もっと多くの本を購入し、初めて自分たちで本をつくって出版しようと計画しています。

UNHCRはパートナー団体と協力して、トルコに逃れてきた難民の企業家精神を後押しするために、自立支援プログラムを実施しています。難民が避難先の受け入れコミュニティーで安定した収入源を確立して自立し、より尊厳のある生活を送れるようにすることを目指したものです。

「シリアでは多くの人が教育を受けており、読書が好きです。トルコに来て生活も一変してしまったけれど、私たちのプロジェクトが、シリアから逃れて来た人々の役に少しでも立てればと思っています」

 

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