水・衛生問題と闘う~コックスバザールの難民キャンプの担当者に聞く

バングラデシュのクトゥパロン難民キャンプでは、水の供給施設に太陽光発電が使われている
© UNHCR/Areez Tanbeen Rahman

バングラデシュ南東部のコックスバザールでは、90万人を超えるロヒンギャ難民が36の地域に分かれて暮らしています。

しかし今、その多くが水不足に直面しています。

UNHCRはパートナー団体と連携し、水・衛生のニーズに応えるために活動を続けています。その現状と取り組みについて、この5年にわたり、コックスバザールで水・衛生分野の支援を担当してきたUNHCRのスタッフに聞きました。

難民キャンプで直面している一番困難な問題は?

コックスバザールは、毎年11月から5月あたりにかけて、干ばつに悩まされています。

2017年8月以降、人口が急増したクトゥパロン難民キャンプは、かなりの量の水を確保する必要がありました。NGOや国際機関、現地企業と連携し、急きょ2万以上の簡易井戸を設置しました。

ナヤパラ難民キャンプでも主要な貯水池が干上がってしまうことがあり、一時的に設置したダムや運河に頼らざるを得ないこともあります。水をトラックで運び込むこともあります。

今、まだ解決に苦労している課題は?

2017年8月末から難民の数が急に増え、緊急対応を余儀なくされましたが、当初は組織間の連携や情報共有が十分ではありませんでした。簡易井戸があちこちに建てられ、仮設トイレを原因とした水質汚染も発生しました。受け入れコミュニティの人々が使ってきた水源でさえも、枯渇する恐れが出てきました。

こういった問題を克服し、効率的に支援を進めるために、2018年から組織間の連携が強化され、簡易井戸から深井戸への移行が開始されました。専門家やバングラデシュ政府の協力のもと、感染症のリスクを減らすために、仮設トイレを衛生的な構造にするなどの取り組みも進めています。

コックスバザール特有の課題は?

クトゥパロン難民キャンプは急しゅんな丘に広がっています。シェルターの多くは丘の上や斜面に建てられていることから、一定量の安全な水の確保が大きな課題でした。難民たちは家族の水を確保するために、丘を何度も上り下りしなければなりませんでした。

深井戸を何カ所も掘ることは不可能ではありませんが、維持管理が課題となります。そこでUNHCRは高架水槽を設置し、ポンプの力を使って、蛇口に水を送るシステムを開発しました。ポンプの使用には電力が必要であったため、効率的でかつ環境に配慮した解決策として、太陽光エネルギーを採用しました。

特殊な地形による水不足は引き続き課題です。住民と難民のニーズに応じた持続的な取り組みを行っていくためには、さらなる投資が必要です。

安全な水の必要性について、難民たちはどの程度認識していますか?

難民の多くは、病気の予防のためにも安全な水が重要であることを理解しています。しかし、貯水槽の汚れで簡単に水が汚染されるなど、具体的な知識はそこまでありません。難民たちを定期的に集めて、啓発活動を実施しています。

水・衛生分野の取り組みにおいて、難民はどのように関わっていますか?

井戸や貯水槽を設置する場所の確保は容易ではありませんが、難民たちが自らシェルターを移動してスペースを空けたりと、大変協力的です。設置が完了した後も、維持管理に必要な情報提供をしてくれています。

仕事を進める上で一番大変なことは?

常に十分かつ安全な水を確保すること、給水システムの適切な管理です。

水・衛生分野の担当としてのやりがいは?

2017年に難民が一気に逃れてきた時、バングラデシュ政府、国連機関、パートナー団体と協力して、安全な水を確保することができたことです。組織間の協力がなければ成し遂げられなかったですし、感染症の流行につながっていたかもしれません。

今後も効率的かつ確実な方法で、コックスバザールの水・衛生の確保に力を注ぎたいと思っています。

 

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