コートジボワールの村人を孤立から救う “自分”を証明する書類

村人たちを集めて、国籍を得ることの重要性を説明する支援団体のスタッフ
© UNHCR/Mark Henley

コートジボワール北部、村のミーティングがにぎやかに始まりました。伝統的な衣装を身にまとった女性たちがダンスを披露し、村のバンドが音楽を奏でます。地元の女性支援団体とUNHCRと共同で開いたこのミーティング。司会のスタッフ、ロジンが本題に入ります。

「証明書を持っていない人は手を挙げてください」

手を挙げたのは500人以上。出生証明書など公的な書類がない「無国籍」の人たちです。

無国籍であるがゆえに、教育など公的なサービスを受けることができず、社会から孤立した生活を送る村人たち。子どもが生まれても出生登録ができません。「ここにいる鳥たちと何も変わらない」。そう口をそろえてつぶやきます。

世界で国籍を持たない人の数は、数百万人におよぶといわれています。

ここ、コートジボワールでも農村部の人たちが国籍を得る手続きは簡単でなく、時間もお金もかかります。大半の村民は国籍を得ようとすらしないのが現状です。

この状況を変えようと活動しているのが、ロジン率いるチーム。「まずは、公的な書類を持ち、国籍を取得することがどういうことなのかを理解することが大切」と、ロジンは村々を周って証明書の大切さを説明しています。

この日は418人の申請が終了しました。

その一人、シリュエ一家の父親ンゴロは、自称50歳、公的な書類がないため実年齢が分かりません。最近、畑仕事で得た収入でバイクを購入しましたが、村の外でバイクに乗ることにはためらいがあります。「村の外でバイクに乗っているのが見つかったら面倒なことになる」。国籍がないと、働くことも、運転免許を取得することもできないからです。

無国籍のまま、狭い世界の中で生きることを余儀なくされた人たちは、自分たちを“囚人”のようだと、時に恐怖に襲われることもあるといいます。

無国籍の解決に向けた動きは、UNHCRとパートナー団体の支援により、この地域で少しずつ広がっています。「学校に行けなくて本当につらい思いをした。自分の子どもには、将来のためにも学校に通わたい」。親世代の意識の変化は、大きな一歩です。

UNHCRは2014年から、2024年までに無国籍を根絶することを目指して「#IBelongキャンペーン」を実施しています。

 

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