長期化するアフガン難民問題、イランで自立に向けた起業進む

イランの首都テヘランで仕立て屋を営むアフガン難民から話を聞くフィリッポ・グランディ国連難民高等弁務官
© UNHCR/Andrew McConnell

イランは世界で5番目の難民受け入れ国。アフガニスタンを中心に約100万人が逃れてきており、さらに、法的な手続きがすんでいない難民も150万~200万人いるといわれています。

アフガン難民問題は1979年から40年近く続いており、世界でも類を見ないほどに大規模化しています。イランで生まれ育った難民の世代は、3世、さらに4世にまでおよんでいます。

フィリッポ・グランディ国連難民高等弁務官はこの長期化する問題に対応するため、アフガニスタン、パキスタン、そしてイランを訪問。寛容な難民政策が実施されているイランの取り組みの視察を経て、今年採択される「難民に関するグローバルコンパクト」の良い実践例であると話しました。

イランでは、国民健康保険、就労許可といった国の基礎サービスを難民にも開いており、2015年からは難民登録の有無にかかわらず、すべてのアフガン難民の子どもたちが初等、中等教育へのアクセスが可能になりました。グランディ高等弁務官はUNHCRがイランの難民政策をサポートし続けていくことの重要性を強調するとともに、国際社会からのさらなる支援を訴えました。

また、難民が支援に依存するのではなく自立を促していくため、起業意識を支えていくことの重要性も指摘しています。今回話を聞いたアフガン難民のソマイエ(27)は、UNHCRとパートナー団体による職業訓練プログラムを経て、イランの首都テヘランで仕立て屋を開業しました。「一度は何もかも失ってしまいましたが、また挑戦することができてうれしい」と語ります。4人の女性スタッフを雇用し、テヘラン市内の有名レストランの制服も作っています。地域経済の活性化、雇用機会の広がりへの貢献も期待されています。

一方で、難民たちのふるさとであるアフガニスタンは情勢不安が続いており、帰還が容易ではない状況です。しかしアフガニスタンに戻って事業を始めるためのサポートを求める声も多く、“いつかふるさとに戻れる”と希望を持ち続けている人がいることも事実です。グランディ高等弁務官は「私たちは、アフガニスタンの安定と安全、繁栄を取り戻していくことも忘れてはならない」と訴えています。

 

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