ケニアの難民キャンプで新型コロナウイルスの危機に挑む

ケニア北部のダダーブ難民キャンプ。2020年3月時点で、20万人を超える難民と庇護申請者が暮らしている
© UNHCR

ナイロビ/ジュネーブ(5月20日)

ケニアのダダーブ難民キャンプで、2人の新型コロナウイルスの感染が確認されました。ケニア政府の発表を受けて、UNHCRは政府と連携し、対応の強化を始めています。

政府の方針に沿って、2人の感染者は陽性結果を受けて隔離施設に移送されました。保健省の疾病監視・対応チームは、感染経路と接触者の調査を進めています。

ダダーブ難民キャンプでの密集した生活、医療サービスがひっ迫した環境の中で、キャンプや周辺地域で暮らす21万7000人を超える難民と32万人の受け入れコミュニティが抱えるリスクに対する懸念が深刻化しています。

UNHCR、パートナー団体、他の国連機関は、難民キャンプでのリスクを抑制し感染拡大を防ぐため、ケニア全土を対象とした政府主導の対応計画をサポートしてきました。

ダダーブでは医療施設の強化が行われ、955床を備えた隔離センターも新設されました。また、食料を配る場所、学校、マーケットなどに、手洗い設備125カ所の設置も完了しました。

さらに医療施設では、個人防護具(PPE)68セットを最前線で活動するスタッフに、手袋450組、医療用マスク4万5000枚、酸素濃縮器4 台が準備されました。難民グループは15万枚を超える布マスクを手作りし、数日内には配布が始まります。ヘルスワーカーは全員が、新型コロナウイルスの感染予防・対応のトレーニングを受けました。

現在、ダダーブ難民キャンプでは、医師18人、看護師150人、臨床医52人、研究員11人、コミュニティの医療ボランティア336人が活動しています。

衛生に関する啓蒙活動は、地元のラジオ、ポスター、チラシ、WhatsAppのメッセージ、ソーシャルメディア、多言語対応の専用ウェブサイト(ソマリ語、オロモ語、ディンカ語、スワヒリ語、ヌエル語、フランス語、英語)を通じて、20万人を超える難民に広まっています。

UNHCR、WFP、パートナー団体は、食料、石けんや給水袋などの衛生物資の1回の配給量を2倍にして、行列や人の混雑の抑制に対応しています。

難民コミュニティのリーダーや保健師は、キャンプの難民に対して、定期的に必要な情報共有を行っています。UNHCRとパートナー団体は、難民や庇護申請者が情報やガイダンスにアクセスできるよう、心理社会面の支援体制、既存の専用のヘルプラインの強化に取り組んでいます。

新型コロナウイルスの影響を受けている難民を支援するため、UNHCRが必要とする7億4500万米ドルの31パーセントが集まっています。

UNHCRは、脆弱な環境下にあるケニアの難民、庇護申請者、受け入れコミュニティが医療サービスや治療に十分アクセスできるよう、これまでの支援を継続し、さらに拡大するために、国際社会に支援を呼びかけています。

 

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