緒方貞子 元国連難民高等弁務官からのメッセージ

元国連難民高等弁務官の緒方貞子さんに、UNHCR日本・韓国地域事務所がeセンターの設立に至った過程などをお聞きしました。

 

Q:eセンターは緒方さんが高等弁務官在任中に設立されました。設立にはどのような背景があったのでしょうか?

A:「日本人はどのぐらい人道援助に役に立っているのか」という質問を日本でよく受けます。高等弁務官に就任したときに私は「日本に人道大国になって欲しい」と申しました。それでは今「日本は人道大国となったか」、と聞かれたら、「そうです」とは言いきれません。人道的な形で日本が世界に貢献する余地はまだ非常に大きい。では日本人が積極的に人道援助に参加できるようにするにはどうしたらよいだろうか、と考えてeセンターを設立しました。

Q:日本人がもっと貢献できるようにという願いがeセンターの設立につながったのでしょうか?

A:「日本は顔の見える人道援助をする必要がある」とよく言われます。ですが顔が見せるには、現場に行かなくてはいけません。日本のNGOも育ってきていますが、規模も小さく、専門性の上でもまだまだだと思います。そこでNGOや個人を対象として緊急事態に対応する技術的・専門的な研修を行えば、日本人が人道支援に関する事業でさらに世界的な役に立つためのひとつの手立てになると考えたのです。