合唱を通じてつながろう!ルーマニアで歌う難民の子どもたち

現地の高校の合唱団の練習に参加するシリア難民のサムとサラ
© UNHCR/Ioana Epure

シリア難民のサム(12)は、小さいころから歌うことが大好きな少年でした。家のソファーをステージに、ヘアブラシをマイク代わりに、ラジオやテレビで流れる音楽に合わせていつも歌っていました。

時にはシリア紛争について、オリジナルの詩をラップ調で奏でています。

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お母さんに「行ってきます」といって学校に行く
帰ってきたら、また無事に会えるだろうか

シリアの市場の人ごみが懐かしい
爆撃の音を思い出す
体の中に爆弾が残っているかのよう

テレビをつけると
いつも天気予報を見てしまう
もう友達が死ぬのを見たくない
もう友達が傷付くのを見たくない

僕たちはシリア人
いつかシリアを建てなおすんだ
僕たちはシリア人
あの痛みを決して忘れない

(仮訳)
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一家は2013年にシリアを離れ、トルコを経由して、ルーマニアの首都ブカレストに住む親戚のもとへ逃れてきました。

サムは妹のサラ(10)とアラビア人向けの学校に通っていますが、週2回、現地の高校にある合唱部の練習に参加しています。この高校は、ルーマニア全土で行われているプログラム「Cantus Mundi」の参加校。さまざまな境遇にある子どもたちを合唱を通じてつなげようという取り組みで、約3万人が850近くの合唱部や聖歌隊に加わって歌っています。

指揮者の育成、子どもたちへの合唱指導を行うエマニュエルは、ルーマニアは合唱文化が根付いている国だと話します。「難民の子どもたちは、自分たちのふるさとの音楽を紹介してくれます。音楽は国境を超えてつながることができるツールであり、この取り組みは文化交流なのです」。

歌が大好きなサムと、最初は少し恥ずかしそうだったサラは、練習に参加できてうれしそうです。「ひとりで歌っているときは音が外れたり、間違えても気づかなかったけど、みんなと繰り返し練習することでもっとうまくなれる」と、サムはうれしそうに話します。

言語や文化が学べるだけでなく、現地の人たちと交流する絶好の機会にもなっている合唱。このプログラムに携わる人たちは、より多くの難民の子どもたちに参加してほしいと願っています。

 

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