フィリッポ・グランディ国連難民高等弁務官、東京の会見で訴える

日本記者クラブで会見を行ったフィリッポ・グランディ国連難民高等弁務官
© UNHCR/Keita Suzuki

フィリッポ・グランディ国連難民高等弁務官は10月26日(金)、日本記者クラブで会見を行いました。

グランディ高等弁務官は冒頭、今回の来日は2016年の就任以来4度目であり、その頻度からもいかにUNHCRが日本とのパートナーシップを重視しているか、理解してもらえるはずだと訴えました。

そのうえで、世界では紛争が止まない現実があり、アフガニスタンやソマリアでは長年解決にいたっておらず、また、ブルンジや南スーダンのように繰り返し起こっている国もあると話しました。さらに、最近話題になっているベネズエラからの強制移動にも言及し、すべての大陸において難民問題は深刻化しており、悪化の一途をたどっていると強調しました。

日本から比較的近い場所に暮らすロヒンギャ難民については、バングラデシュに100万人近くが逃れ、この数カ月はモンスーンによる被害を抑えるための支援にも注力してきたとし、日本政府、アジアの国々、そして国際社会全体が、ミャンマーのラカイン州の人々のために手を取り合い、継続的な支援を行っていくことが帰還の重要なステップになると述べました。

こういった世界各地で起こっている難民問題を解決するためにも、今年12月の国連総会で採択される「難民に関するグローバルコンパクト(GCR)」は、国際社会が一体となり、効率的、効果的、包括的に難民問題に対応していく良い指針になると期待を述べました。すでにパイロット事業が行われている15カ国で成果が確認されていること、日本はGCRの強固なサポート国のひとつであり、UNHCRのパートナーとして、JICAがウガンダなどで重要な役割を果たしていることなどを紹介しました。

日本の難民受け入れに対しては、外国人と日本人が共生する社会の実現に向けて、政府がその方法を模索していること、第三国定住プログラムでは年間30人を倍増しようとする動きがあることを把握しており、小さなステップでも前進しようとしている、その意志を感じたと評価しました。一方で、難民に対する処遇に関する包括的な法制は今後検討の余地があるのではないか、さらに、日本はUNHCRにとって重要な資金供与国のひとつでありながら、近年はその額が減少していることへの強い懸念も示しました。

また日本は、2019年に横浜での第7回アフリカ開発会議(TICAD7)、2020年に難民選手団の結成が決定された東京五輪などの重要なイベントが控えていることから、国際社会に難民問題への取り組みをアピールするきっかけにしてほしいと話しました。

今回の来日では、阿部俊子外務副大臣、山下貴司法務大臣、北岡伸一JICA理事長、株式会社ファーストリテイリングの柳井正代表取締役会長兼社長、小池百合子東京都知事、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の森 喜朗会長などと面談し、意見交換を行いました。

 

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