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翻訳の仕事を通じて難民問題を伝える 翻訳者 櫛田理絵さん

2022年5月5日

『紛争・迫害の犠牲になる難民の子どもたち』の翻訳を担当した櫛田理絵さん
© 合同出版

シリア、南スーダン、南アメリカの難民の子どもたちの絵を集めた『紛争・迫害の犠牲になる難民の子どもたち』(合同出版)。UNHCRが2019年にイギリスの児童書出版社と出版した『Forced To Flee: Refugee Children Drawing On Their Experiences』の翻訳本として今年はじめに出版されました。

その翻訳を担当したのが翻訳家の櫛田理絵さん。今回は櫛田さんに、どのような想いで翻訳に取り組んだのか、故郷を追われた子どもたちの絵から感じたことなどについて聞きました。

 

翻訳の原点は
国際人権NGOでのボランティア

大学生だったころ、国際人権NGOでボランティア翻訳をしていたことがあり、これが私にとって最初の翻訳だったように思います。イギリスの事務局から英語で届く世界各地の人権侵害に関する情報を仲間と分担して訳し、会員誌のニュースレターの中で紹介するというものでした。声をあげることができない人たちに代わってその窮状を広く伝えるという点では、今回の『紛争・迫害の犠牲になる難民の子どもたち』の趣旨と重なるものがあるかもしれません。

子どもの本には困難に立ち向かう子どもたちの姿がよく登場します。また、こんな世の中になってほしいという著者の願い、メッセージが込められた作品も多く、訳すにも力が入ります。今回も訳していると難民の子どもたち一人ひとりが乗り越えてきた物語が伝わってくるようでした。

学生時代からの夢につながる
難民問題に関する書籍の翻訳

もともと難民問題に関心があったこともあり、出版社の方から「難民の本を訳しませんか」とお声がけをいただいた時は本当にうれしくて、すぐにお受けしました。私が学生のころは緒方貞子さんが国連難民高等弁務官としてご活躍の時代で、UNHCRの活動にも大変関心を持っていました。実際に原書を拝見してUNHCRの本と分かった時は、なにか特別な使命感のようなものを感じ、身が引き締まる思いでした。住まいや大切な人を失った子どもたちの声を拾い上げ、絵を通して伝えるという趣旨に心から共感しましたし、そうした難民たちを支援するUNHCRの意義深い活動の一端を担わせていただけることを大変うれしく思いました。実はかつてUNHCRで働くのを夢見たこともあり、今回このような形で関わらせていただけて、まるで昔の夢がかなったような気がしました。

UNHCR親善大使のケイト・ブランシェットさんの言葉にもありましたが、つらい経験をしてきた難民の子どもたちが希望を捨てることなくしっかり前を向いて生きている、そのたくましい姿に心を打たれ励まされました。それと同時に、世の中には日常的に紛争を目のあたりにし、そのイメージを心に焼き付けている子どもたちがこんなにも大勢いることを知り心が痛みました。

難民の子どもたちの想いを
いかに翻訳で伝えるか

幅広い年齢層の方に読んでもらえるよう、言葉選びには時間をかけました。本書の読者対象は中学からとなっていますが、小学校高学年でも理解できるよう、それでいて中学生以上の読者が物足りなく感じないような表現を目指しました。特に苦労したのが、冒頭の言葉の定義です。そもそも難民とはどういう人かを説明した部分では、難民条約の文言が元になっているということもあって、どうしても硬い言葉が続いてしまいます。おまけに一文が長いために意味が取りにくく、できるだけ分かりやすく、でも文意を変えないよう訳すのに試行錯誤を繰り返しました。関連する文献やインターネットの情報にもいろいろあたってみましたが、最後は編集者の的確なアドバイスで、なんとか納得のいく表現にたどり着くことができました。

また、難民の子どもたちの絵とその想いがつづられた部分では、同じ年ごろの日本の子どもたちに共感してもらえるような表現を目指しました。具体的には、日本の子どもたちが友達同士で交わす言葉のやり取りを意識し、親しみやすさに力点を置いて訳し始めました。でも実際に訳してみると、思ったほど単純ではありません。難民の子どもたちがくぐり抜けてきた現実が、日本の子どもたちの育った環境と大きく異なることもあって、たとえば故郷への想いなど、日本の子どもたちが普段交わす会話で口にしないようなこともつづられています。こうした想いを読者の心に響くように伝えるには、親しみやすさだけでは足りず、かといって大人のような口調でも浮いた感じがします。親しく語りかける子どもらしい口調と、強い思いのこもったしっかりした言葉のバランスを考え、試行錯誤しながら訳しました。

難民の子どもたちの絵を通じて
感じたこと

翻訳のお話をいただいた時から、難民の子どもたちがどんな絵を描いているのかとても気になっていました。子どもの絵というと、私の中では“ほほ笑ましい絵”のイメージが強く、そのため本書に登場する子どもたちの絵には、ある程度予想していたとはいえ、強いショックを受けました。

本書に紹介されている絵はどれも一目見て子どもが描いたとわかる絵ばかりですが、そこに描かれている内容は、平和な日本に生まれ育った子どもたちなら決して描くことのないものがほとんどです。たまたま危険な国に生まれ育ったばかりに、無邪気な子ども時代を奪われ、つらい記憶を背負って生きなければならない子どもたちのことを、決して他人事ですませてはいけないと強く思いました。細部にわたって描かれた戦闘の場面や、悲しみに暮れる人の絵などを目にした時、子どもたちはどんな思いでこれを描いたんだろうと、胸が締め付けられました。

一方で、そうした体験を乗り越え、希望を胸に前を向く姿も印象に残りました。たとえば33ページに写真入りで紹介されているムジャヒドくんのように、不自由な避難生活の中でも向上心を持ち勉強に励む姿、37ページの「難民たちの証言」で紹介されているタブさんのように、どんな時にも感謝の気持ちを忘れず、将来の夢を胸に意欲的な日々を送っている子どもたちの姿はとてもまぶしく印象に残りました。いつまでも悲しみに暮れることなく、未来へ一歩踏み出すことのできる子どもたちは、ある意味、大人以上にたくましい存在といえるかもしれません。

翻訳者として
読者に伝えたいこと

本書は、世界の難民をめぐる状況やそれぞれの難民が生まれた経緯について分かりやすくコンパクトにまとめられています。これまで難民のことをあまり考えたことがなかった大人もふくめ、幅広い年齢層の方に手に取っていただきたいです。そして、世の中にはこうした子どもたちがたくさんいることを知るとともに、難民の子どもたちの言葉や絵を通して、少しでも身近に感じていただけたらと思います。また、ぜひ難民の子どもたちが描いた絵とご自身のお子さんや身近なお子さんたちが描いた絵とを見比べて、その違いや共通点を感じ、もしこの絵を描いたのが自分の子どもだったら、と想像してみてください。難民の子どもたちへの温かい想いが込みあげてくるのではないでしょうか。

一冊の中でシリア、南スーダン、中央アメリカの3つの地域の難民が取り上げられていますが、ここで紹介されているのは世界の難民のごく一部です。残念なことに難民となる人の数は年々増え続けており、まさに今も、ウクライナで多くの市民が近隣の国々に避難し、今世紀最大の難民になるともいわれています。世界中から支援の表明が相次ぎ、この問題に対する関心の高さを感じます。

でも、新たな難民が生まれても、すでに難民となっている人たちがいなくなるわけではありません。

今回の出来事が、ウクライナじゃら避難した人のように現在進行形で難民となっていく人たちだけでなく、この本に紹介されているような、すでに難民として長い年月、不安や苦しみを抱えたままの人たちに目を向け、支援の流れにつながっていくことを期待してやみません。

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