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UNHCR議連、難民支援における連帯と日本のリーダーシップの役割を議論

ストーリー

UNHCR議連、難民支援における連帯と日本のリーダーシップの役割を議論

12 12月 2024
PL session 2024

グランディ国連難民高等弁務官とUNHCR議連のメンバーの特別会合

11月末、フィリッポ・グランディ国連難民高等弁務官の訪日に合わせ、UNHCR国会議員連盟(UNHCR議連)の特別会合が開催されました。

UNHCR議連の会長を務める逢沢一郎衆議院議員は、「どの地域でも厳しい安全保障の環境が続いている。ロシアの侵攻から3度目の冬を迎えるウクライナ、一層厳しさを増す中東情勢、さらにアジアではミャンマー国内外での深刻な現実がある。世界を見渡して状況を注視し、対応していく必要がある」と話し、日本が共同議長国を務めた2023年の「グローバル難民フォーラム」後の取り組みの継続、政府、民間、市民団体との連携を強化する重要性を強調しました。

PL session 2024

フィリッポ・グランディ国連難民高等弁務官

PL session 2024

逢沢一郎衆議院議員

冒頭、グランディ高等弁務官が講演を行い、緒方貞子さんが高等弁務官を務めた1990年代から変わらず続く日本とのパートナーシップ、UNHCR議連の貢献に対する感謝を述べたうえで、世界の難民情勢についての最新情報を共有しました。

「現在、世界は深刻な分断に直面しており、国際的な連帯がこれまで以上に重要となっている。誰もが平和を必要とするなかで、日本被団協にノーベル平和賞が授与されたことは、平和の重要性を再確認する素晴らしいニュース」と述べました。

現在は約1億2,300万人が避難を余儀なくされ、12年連続で増加してるという現状に触れ、その主な要因である紛争や戦争については、「レバノンの停戦は歓迎すべきニュースだが、持続可能であることが重要。ウクライナではエネルギーインフラの大部分が破壊され、厳しい冬が待ち受けており、スーダンでは世界最大の人道危機が続いており、メディアの入国規制もあり十分に報じられていないのが現状だ」と懸念を示しました。

そのなかで、日本は人道支援のリーダーとして国際的に高く評価されており、人道、開発、平和構築を結びつける「HDPネクサス(人道・開発・平和の連携)」において、先駆的な役割を果たしてきたと評価するとともに、今回の訪日では、民間企業の訪問による協力強化も主な目的の1つであるとし、日本のリーダーシップへの期待を寄せました。

PL session 2024

続いて、外務省国際協力局の日下部英紀審議官、JICAの原昌平理事から日本の取り組みについての共有がありました。グローバル難民フォーラムで日本の「宣言(プレッジ)」として提出された「HDPネクサス」のアプローチを活用し、ウガンダ、ケニア、バングラデシュ、さらにパレスチナやヨルダンなどで、故郷を追われた人々に解決策を提示する事業が進められていること,、政府、民間、NGOなどの連携による“オールジャパン”の姿勢で、UNHCRや他国とも連携しながら、難民問題の責任の共有に貢献していると説明しました。

その後、会合に出席した議員からは、「HDPネクサス」の効果的な進め方、国際社会のリーダーシップにおいて特に求められること、さらに日本国内の難民問題に関しても質問があり、グランディ高等弁務官と活発な意見交換が行われました。

最後に、モデレーターを務めたUNHCR議連の事務局長の猪口邦子参議院議員が「今回の会合で出た議論はどれも意義深く、UNHCR議連を有する数少ない国として、議連メンバーでしっかり課題に取り組んでいく」と述べ、逢沢議員が「『難民に関するグローバル・コンパクト』の理念に基づき、社会全体で何ができるかを常に考え、今後も努力を続けていく」と、会合を締めくくりました。