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アフガニスタン人の強制的な帰還、UNHCRが人道危機への支援を求める

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アフガニスタン人の強制的な帰還、UNHCRが人道危機への支援を求める

2025年4月30日
Afghanistan

パキスタンから帰還し、国境で疲れ切って持ち物のそばに座り込むアフガニスタン人の家族

UNHCRは、何十万人もの人々がアフガニスタンに周辺国から帰還を余儀なくされ、人道危機がさらに深刻化するおそれがあると警告しています。絶望的な状況のなか、故郷に戻らざるを得ない人々を支援するために、7,100万米ドルの支援が緊急に必要とされています。

この4月、25万1,000人以上のアフガニスタン人が、困難な状況のなかでイランやパキスタンから帰還を余儀なくされました。その中には、9万6,000人以上の強制送還された人々も含まれます。UNHCRは両国政府に対し、アフガニスタンへの帰還は自主的なものであり、かつ安全で尊厳が守られた形で行われるべきだと訴え続けています。アフガニスタン人に対する強制的な帰還や帰還の圧力は、持続可能な対応ではなく、域内のさらなる不安定化を招くおそれがあります。

UNHCRは、長年にわたりアフガニスタンの人々を受け入れてきたこれらの国々が、経済的負担を含む多くの困難に直面してきたことを理解しています。一方で、法的な身分に関わらずアフガニスタンへの帰還を強制すれば、多くの人が深刻な保護上のリスクにさらされる可能性があるという懸念を繰り返し共有してきました。

特にアフガニスタン人の女性や少女にとっては、雇用、教育、移動の自由といった基本的な権利へのアクセスが、アフガニスタン国内ではさらに制限される可能性があります。また、民族・宗教の少数派や人権活動家、ジャーナリストなども、帰還によってリスクに直面するおそれがあります。

こうした懸念の背景には、失業率の上昇、自然災害や異常気象といった要因が重なり、国内の人道的ニーズが深刻化している現状があります。

2023年以降、340万人以上のアフガニスタン人がイランとパキスタンから帰還、または強制送還されました。こうした大規模な帰還は、アフガニスタン各州の受け入れ能力をひっ迫し、さらなる国内避難のリスクを高めています。一方で、イランやパキスタンへの新たな強制移動も発生しており、ヨーロッパへのさらなる移動の可能性も高まっています。実際、2024年にアジア太平洋地域からヨーロッパに不規則に到着した人々のなかで、アフガニスタン人が最も大きな割合(41%)を占めています。

UNHCRは、UNDPやIOMなどのパートナーと連携して、アフガニスタンの帰還民の増加への支援を行っています。資金調達が不透明のなかで、この先9カ月でこの域内の危機に対応していくためには7,100万米ドルが必要です。

追加の資金があれば、UNHCRは特に女性や少女への支援を重視しながら、帰還民の緊急のニーズ、移動手段の確保、基本的なサービスへのアクセス、生計向上、そして再統合を支えるための重要な支援を提供することができます。また、帰還民が必要な情報を受け取り、保護のニーズに対応できるよう、受け入れ体制や施設の強化も進めていきます。

UNHCRはイランとパキスタンでは、コミュニティ活動、保護モニタリング、心理社会的・法的なサポートを通じた緊急支援を強化します。難民とのコミュニケーションは、各サービスについてのタイムリーな情報共有のために、複数の現地語対応のホットラインとSMSで強化していきます。最も脆弱なグループに対しては、それぞれのニーズに特化したサービスが計画されています。

 

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