ジョリーUNHCR特使:各国のリーダーシップに期待

レバノンで避難生活を送るシリア難民と話をするジョリー特使
© UNHCR/L.Knott

レバノン発

アンジェリーナ・ジョリー・ピットUNHCR特使はシリア紛争が丸5年を迎える15日にシリア難民が避難するレバノンのベカー高原を訪れました。長引く紛争によって480万人が難民となって周辺国に避難しており、660万人 がシリア国内での避難を強いられています。

ジョリー特使は「シリア紛争が5年を迎えるこの日に、これまで私が知り合ったシリア難民の家族がシリアに戻るのを見たいと願ってきました。現実がこの願いとかけ離れているのは悲しいことであり、恥ずべき事態です」と記者団に語りました。ジョリー特使はシリア危機への政治的解決策を見出すとともに、紛争や迫害から逃れた人々を保護するためにそれぞれの国が出来ることを考えて欲しいと訴えました。

さらにジョリー特使は「シリア危機は私たちの意思や対応能力を遥かに超えて拡大しており、非常に困難な局面を迎えています。事態の対応のために、人道支援が外交努力や政治的解決策にとって代わることは出来ません。今は感情に流される時ではなく、理性と冷静さを保ち、且つ先見の明を持って対応すべき時なのです。

このような危機的状況において国際社会でリーダーシップを発揮するには、単に自国の国境を守ったり、支援の必要性を提唱する以上の行為が求められます。今日私がぜひ皆さんにお願いしたいのは、各国政府がリーダーシップを発揮し、この事態を分析し、自分の国に何が出来るのかを理解し、何人の難民をどのような形で支援できるかを国民に明確 に説明することです」と語りました。

ジョリー特使はレバノンにあるベカー高原のシリア難民が避難している地域を訪れ、シリア難民の家族と会って話をしました。ジョリー特使は困難な状況に立ち向かう精神と忍耐力を称えるとともに、長引く危機によって大きな犠牲が払われていることへの懸念を伝えました。

「今回の訪問を通して、5年にも及ぶ避難生活がどれほど困難であったかを感じました。貯めていたお金が底をつき、住む場所もアパートから廃墟となった建物などへと移りました。それでも負債は膨らむばかりなのです。」

レバノンで避難しているシリア難民は106万人以上、そのうちの半数が厳しい生活水準にあり、食糧やシェルターなど最低限必要なものを手に入れる余裕が無い状態です。

シリア難民を長期に渡って受け入れてきたシリア周辺国では、様々な資源やインフラが圧迫されています。レバノンでは人口の4人に1人がシリア難民です。UNHCRレバノン事務所代表は「レバノンはこれまで非常に寛容な姿勢で100万人以上のシリア難民を受け入れてきました。しかし、長期に渡るシリア危機によって国の資源は限界に近づいています。国際社会にはあらゆる方法での難民支援と難民受け入れ国への支援をお願いしたい」と訴えました。

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