アフリカeセンター、日本の支援で緊急対応能力の強化を推進
アフリカeセンター、日本の支援で緊急対応能力の強化を推進
UNHCRは日本政府と協力して立ち上げた「アフリカeセンター」の年間プログラムを修了しました。本プログラムにはアフリカ23カ国の人道支援従事者が参加し、大陸全体での緊急事態への準備と対応能力の向上に取り組みました。
2024年は、対面ワークショップ4回、オンラインウェビナー4回、ピアコーチング40回、オンラインでの確認セッション3回が行われました。
緊急時のリーダーシップ、人道支援の交渉、緊急時の準備と対応などを主要テーマに、5月と11月にはケニア・ナイロビでアフリカの英語圏を対象に、8月と12月にはセネガル・ダカールでフランス語圏を対象にワークショップが行われました。
UNHCR西・中央アフリカ地域局長のアブドゥラウフ・グノン・コンデは、「この1年を通じて、日本の寛大な支援により、人道支援機関や政府パートナーの緊急対応能力を強化する機会を提供することができました。さらに多くのパートナーに広げるために、引き続き日本の貢献に期待しています」とコメントしました。
アフリカeセンターは、UNHCRの人道支援活動における長年のパートナーである日本政府の寛大な支援により、2024年に活動をスタートしました。初年度となる2024年は、アフリカの人道支援従事者(うち43%は女性)64人に訓練を提供し、参加者それぞれが得た知識を自国に戻って共有することで、その学びは600人以上にも広がっています。
駐セネガル日本大使館の広瀬真一臨時代理大使は、すべての参加者を称賛し、アフリカで活動する人道支援従事者の能力向上に向けた取り組みを評価しました。
この1年の締めくくりとして12月にダカールで開催されたワークショップには、フランス語圏の11カ国から参加者が集まりました。緊急時に発生する地域特有の課題に対応する能力強化プログラムの一環として、シミュレーションやグループディスカッションを通じて、緊急事態における効果的な対応方法を学びました。
アフリカeセンターでは、域内の人道支援従事者間での知識の共有、連携を強化する“実践コミュニティ”の形成も目指しています。オンラインのプラットフォームで定期的にフォローアップを行うことで、アフリカ全土で、スキルのある実務者のネットワークを築いていくことがねらいです。
参加者の1人、地元のNGO「MIDEFEHOPS」のアヌアリテ・カブオ・カルンガ副プログラムコーディネーターは、「特に複雑な安全管理の面において、緊急時の準備と対応におけるスキル向上に役立ちました。人道支援の原則と人命を優先させながら、自分たちが活動する地域での調整、アドボカシー、支援を改善する機会を得ることができ感謝しています」と感想を述べました。
UNHCRはまた、アフリカ連合(AU)や西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)を含む、アフリカ域内の機関との連携強化を計画しています。5月のナイロビでのワークショップでは、AUの委員から、アフリカeセンターはAUの人道アジェンダに沿ったイニシアチブであることが強調されました。UNHCRはこの機をとらえ、ECOWASや域内の他機関と連携しながら、人道支援の対応のメカニズムをさらに強化していく計画です。
アフリカeセンターは、2024年の活動を通じて、アフリカでの緊急事態のならではの課題に取り組むために必要な協力体制と能力強化の土台をつくることができました。「2025年には、少なくとも2つの新しいグループをつくり、2024年の2グループとの活動も継続する予定です」とUNHCR緊急事態・保安・供給局 局長の下澤 祥子は話します。
今後もUNHCRは日本の支援を受けながら、アフリカの人道支援従事者の必要なスキルの習得、地域のネットワークの強化を通じて、より効果的で、地域に根ざした人道支援活動の実現を目指していきます。
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