Close sites icon close
Search form

国別サイトで検索

国情報

国別ウェブサイト

国内の難民支援の現状と課題を考える:UNHCR議連と日本のNGOが勉強会を開催

ストーリー

国内の難民支援の現状と課題を考える:UNHCR議連と日本のNGOが勉強会を開催

2025年6月25日
PL

UNHCR国会議員連盟と日本のNGOとの勉強会

5月下旬、UNHCR国会議員連盟(UNHCR議連)による勉強会が開催され、国会議員をはじめ、政府、NGO、難民の背景を持つ関係者など50人以上が参加しました。

今回のテーマは「国内の難民問題とNGOによる支援の取り組みについて」。冒頭、UNHCR議連事務局長の猪口邦子参議院議員は、「日本はさまざまな状況があるなかでも、人道・難民支援を一歩ずつ進めていくべきであり、UNHCR議連の役割は制度や予算面での後押し。この勉強会は、長い歴史と近年の活動強化を持つNGOの皆さんの声に耳を傾ける貴重な機会」と述べました。

会の前半では、4つのNGOがそれぞれの活動を紹介しました。以下は概要です。

特定非営利活動法人なんみんフォーラム(FRJ):日本に逃れてきた難民を支援する複数のNGOが連携し、ネットワークとして活動するプラットフォーム。NGOとのネットワークを活かして他のステークホルダーと連携した支援体制の構築に取り組むとともに、現場の声をもとに政府への政策提言や、行政との対話を通じた制度改善も進めている。国際社会とも連携しながら、より包括的な難民支援の実現を目指している。

認定NPO法人難民支援協会(JAR):日本に庇護を求める人々に対し、住まい・食料・医療などの生活支援に加え、法的支援や就労支援なども提供。また、政策提言や広報活動を通じて、制度の改善や社会の理解促進にも取り組む。2023年は日本に庇護を求める71カ国・約1,000人を支援しており、その活動の約9割近くは寄付に支えられている。

社会福祉法人さぽうと21:日本で生活を始める難民や元留学生に対し、進学や就職に必要な教育支援を行っている。日本語の学習支援や奨学金提供などを通じて、一人ひとりが社会の一員として自立できるよう後押ししている。

一般社団法人 Cultural Diversity推進協会:外国人や難民の就労をめぐる課題に注目し、雇用の壁を乗り越えるための支援や啓発活動を展開。特に、言語や文化の違いに配慮した職場づくりや、多様性を尊重する社会づくりに向けた取り組みを行っている。

PL
PL

後半の質疑応答では、主に以下のような論点について、活発な意見交換が行われました。

・改正入管法のもとでの送還の状況や再申請への課題

・難民認定の手続きの分かりやすさと公平性

・保護費の適切な運用、生活困窮者への迅速な支援

・就労に関する制限や手続きの複雑さ

・地域で安心して暮らすための仕組み、日本語教育の充実

・特定の国の出身者への偏見や報道の影響

・当事者団体の声を取り組みに反映していく重要性

また、難民の背景を持つ参加者からは、自身の経験を基に、同じ立場の人々を支援するために取り組んできた活動が紹介されました。また、こうした活動を実際のニーズに応じて的確に進めていくためには、政府やNGOなどの支援が不可欠であるとの意見も共有されました。

これらの議論を受けて、UNHCR議員連盟会長の逢沢一郎衆議院議員は、日本が難民条約の締約国として国際基準に沿った対応を進めることの重要性や、自治体や国民の理解と協力の必要性を強調し、「UNHCR議連としても、難民政策の基盤強化に引き続き尽力していきたい」と述べました。

▶ UNHCR国会議員連盟についてはこちら