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UNHCR:難民問題に関するグローバル会合、新たな連帯の「宣言」とともに閉幕

プレスリリース

UNHCR:難民問題に関するグローバル会合、新たな連帯の「宣言」とともに閉幕

2025年12月18日
GRF

2025年「グローバル難民フォーラム プログレス・レビュー」の閉幕式でのフィリッポ・グランディ国連難民高等弁務官と参加者たち

12月15~17日にスイス・ジュネーブで開催された「グローバル難民フォーラム プログレス・レビュー」では、3日間の会合を経て、30を超える新たな「宣言(プレッジ)」が表明され、難民および受け入れコミュニティの生活改善に向けた、国際的な連帯とコミットメントを再確認する場となりました。

今回の会合では、難民の雇用や教育へのアクセス拡大、自主的帰還の継続支援、第三国への安全な受け入れルートの確保など、恒久的な解決策を含む幅広い分野で新たな宣言が示されました。これにより、2019年の「第1回グローバル難民フォーラム」以降に表明されたコミットメント・宣言は、47のテーマ・地域にわたり約3,500件となり、各国政府を含む1,300以上の多様なステークホルダーが参画しています。

フィリッポ・グランディ国連難民高等弁務官は「これは世界で最も重要な難民フォーラムです。難民の国際的な保護と庇護を求める権利に対する強いコミットメントが、この場で明確に示されたと感じています。これらの原則は、いかに対応手段が変化しても、決して揺らぐことはありません。今年は財政面で非常に厳しい一年で、私たちも大きな影響を受けましたが、支援、公正、そして権利を守る姿勢を弱めることはありません」と話しました。

そして参加各国は引き続き、難民に対する重要なリーダーシップとコミットメントを示しました。特に注目される宣言として、シリアは、10年以上にわたる危機を経て、持続可能な難民の帰還を支援し自主的帰還のための環境改善を進める計画を表明しました。また、レバノンなど受け入れ国からも関連の宣言が示されました。

スウェーデンは、保護と恒久的な解決策の推進に取り組み、難民が避難先で安全や基本的サービスにアクセスできるよう支援するとともに、危険な移動を余儀なくされる状況の軽減を目指す姿勢を示し、ドイツは、人道と開発と平和構築の各分野に関する政策への支持をあらためて確認し、エチオピア、ケニア、モーリタニアにおける主要な国家包摂計画を後押しするほか、スーダンとシリアへの支援も表明しました。

民間セクターや慈善団体からも数多くのイニシアチブが発表されました。ブロックチェーン技術を活用した投資商品による資金提供、難民の高等教育奨学金への拠出、太陽光発電による給水システムの拡大支援など、多様な形で支援が強化されています。さらに、慈善団体による継続的な財政支援や企業による若者支援に加え、世界陸連による難民アスリート育成支援や、ゴルフ団体による大規模な難民支援モデルの開始など、スポーツ分野も重要な役割を果たしています。

難民自身も、解決策をリードする重要な存在となっています。第三国への定住や安全なルートの確保に関わりながら、自らの経験を政策形成や取り組みの前進へとつなげています。今回のプログレス・レビューには、難民や無国籍者、またはその経験を持つ250人以上が、難民主導組織の代表として参加し、彼らの声は議論の中心に据えられ、最も影響を受ける彼ら自身の優先課題が、確実に解決策へ反映されるように議論が進められました。

本会合は、UNHCRとスイスの共催のもと、コロンビア、フランス、日本、ヨルダン、ウガンダが共同議長国となり、ジュネーブ国際会議センターで開催されました。世界約150カ国から、政府高官、国際機関、市民社会、民間セクターの代表など、約1,500人が参加しました。

2019年から4年に一度開催されている「グローバル難民フォーラム」の中間年に行われる「プログレス・レビュー」は、2018年に加盟国が採択した「難民に関するグローバル・コンパクト」の目標を前進させるための重要な機会です。この枠組みは、難民支援における、より予測可能で公平な責任分担を目指しています。今回の会合でも、参加者はこれまでのフォーラムで示された宣言の進捗を確認するとともに、恒久的解決策を加速させるための新たなコミットメントを発表しました。

▶原文(英語)はこちら