中東危機で拡大する避難、UNHCRが域内で緊急対応を強化
中東危機で拡大する避難、UNHCRが域内で緊急対応を強化
イスラエルによる空爆と避難指示が続くなか、安全を求めてシリアに避難するため、レバノンのマスナア国境に到着した家族
中東での軍事的緊張の著しい高まりにより、民間人の命が失われ、重要なインフラが損壊・破壊され、多くの人々が故郷を追われています。こうした事態を受け、域内全体で迅速な人道支援が求められています。
今回影響を受けている国々では、この緊張激化が始まる前から、難民、国内避難民、厳しい状況下で最近帰還した難民など約2,500万人が困難な状況に置かれていました。
現在も、命を守るための人道支援の提供や、既存の難民に対する主要な各種サービスの維持のための取り組みが進められています。UNHCRは各国政府を支援しながら、国連や人道支援コミュニティの調整役を務めながら、各機関と連携しながら域内の難民への対応を実施していきます。
安全を求めて移動する、または国境を越えるすべての民間人に対し、安全な道のりが確保されることが不可欠です。最近の攻撃の影響を受けているアゼルバイジャン、湾岸諸国、イラン、イラク、イスラエル、ヨルダン、レバノン、シリアなどの国々において、民間人と避難を余儀なくされた人々の安全や福祉に関してUNHCRは深い懸念を抱いています。
イランでは、UNHCRは国連機関のなかで最大規模の拠点を構えていますが、民間人と難民の安全に関して深い懸念を抱いています。危機発生から最初の2日間でテヘランから10万人が避難したとする当局の初期推計はすでに上回っています。イランには現在、主にアフガニスタンから逃れてきた約165万人の避難を余儀なくされた人々が暮らしており、非常に多くの人々が支援と保護を求めています。空爆が続き通信の遮断も発生するなかで、民間人や人道支援関係者にとって極めて危険な状況が続いていますが、UNHCRは現場での活動を継続しています。UNHCRの受け入れセンターやホットラインは引き続き稼働しており、難民からは1日あたり250件以上の問い合わせが寄せられています。
レバノンでは、現地政府によると、自宅からの避難を余儀なくされた9万6,000人以上が、440カ所を超える集団避難所に身を寄せています。家族は限られた持ち物だけを携え、より安全な場所を求めて、レバノン山岳県、首都ベイルート、北部地域、ベカー高原の一部などに向かっています。避難を続ける人々からは、強い恐怖と不安が広がっていることがうかがえます。特に、イスラエルがレバノンの住民に対して、前例のない規模で避難指示を出したことが大きな不安を招いています。UNHCRはレバノンでわずか4日間のうちに、政府が運営する避難施設に身を寄せる2万2,000人に対し、マットレス、毛布、ポリタンク、ソーラーランプ、スリーピングマットなど、6万5,000点以上の援助物資を配布しました。
シリアでは、現地当局によると、これまでに少なくとも3万3,600人のシリア人と約3,000人のレバノン人が国境を越えてシリアに避難しています。レバノンのシリア難民のなかには、すでに帰還を決めていた人のほか、現在も続く紛争から逃れてきた人も含まれています。UNHCRは、当局やパートナー団体と連携し、シリア国境に新たに到着した人々に必要不可欠な援助物資の提供を行っています。また、国内に備蓄していた物資やコミュニティを基盤とした支援を通じて体制を整えています。
アフガニスタンとパキスタンの状況への懸念もあります。国境地帯では衝突が続き、両国で国内での避難が発生しているとの報告があります。推計では、アフガニスタンで約11万5,000人、パキスタンで約3,000人が国内避難民となっています。アフガニスタンの状況はすでに極めて脆弱であり、これ以上、アフガニスタン難民の大規模な帰還が起きれば、基礎的な公共サービスや受け入れコミュニティに大きな負担がかかります。さらなる支援が必要不可欠です。
UNHCRは、こうした複雑な避難の動きと保護のニーズへの対応を強化しています。援助物資の配布やシェルター支援など、命を守るために不可欠な人道支援を提供しているほか、必要に応じて迅速に緊急の財政支援を実施できる体制も整えています。
今回影響を受けている国々におけるUNHCRの活動では、依然として、深刻な資金不足が続いています。UNHCRはドナーに対して、緊急に必要とされている追加支援を呼び掛けています。
緊急事態の最新情報については「Operational Data Portal」で更新しています。
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