アントニオ・グテーレス

アントニオ・グテーレス(Antonio Guterres)は2005年6月15日、第10代の国連難民高等弁務官に就任した。元ポルトガル首相であるグテーレスは国連総会で5年間の任期で選出され、2010年4月の再任を受けて2期目の任務を開始した。

グテーレスは高等弁務官として、世界でも主たる人道機関の一つであるUNHCRを率いる。UNHCRは1954年と1981年の二度にわたり、ノーベル平和賞を受賞している。120か国以上で6800人以上のUNHCR職員が、何千万人もの難民や帰還民、国内避難民や無国籍者の保護や支援事業を実施している。UNHCR職員の85%以上は、しばしば困難と危険が伴うフィールドで勤務している。UNHCRの2010年度の現場でのニーズに基づいた予算は3億米ドルを超える。

UNHCRに就任するまでは20年以上、政治や公共部門に携わり、ポルトガル首相時代(1995年~2002年)には、東 ティモールでの虐殺を阻止するため国際協力に尽力した。2000年初めには、いわゆるリスボン戦略を採択に導き、また欧州理事会議長として第1回EU(欧州連合)・アフリカ首脳会議 の共同議長を務めた。1991年にポルトガル難民評議会を創設し、1991年から2002年まではポルトガル 共和国諮問委員会員を務めた。

1981年から1983年までは欧州評議会議員総会員だったほか、「人口統計、移住、難民」委員会議長を務めた。また、世界中の社会民主主義的な政党から結成される社会主義インターナショナルで活躍し、1992年から1999年まで副議長を、1999年から2005年6月までは議長を務めた。

1949年4月30日、ポルトガルの首都リスボン生まれ。母校であるポルトガルのInstituto Superior Tecnico(インスティトゥト・スペリオール・テクニコ:工科大学)の客員教授でもある。

既婚。子どもは2人。