FCバルセロナ、コロンビア先住民族とゴールを決める

セルバス・デ・リパの村で、ヒトゥヌ族の女の子の華麗なボールさばきに奮闘するUNHCR職員
© UNHCR/F.Fontanini

コロンビア、セルバス・デ・リパ(10月13日)発

 

ベネズエラとの国境に近いコロンビアの森林地帯の中心部で、スペインのFCバルセロナは、先住民族ヒトゥヌ族の若者に、サッカーボールを通して日常生活で必要な技能を教え、近隣コミュニティとの架け橋を作ろうとしている。

FCバルセロナ財団は、UNHCRがNIKEと展開するMESキャンペーンのもと、「フェア・プレー」イニシアティブに資金提供を行った。当イニシアティブは、アラウカ県北東部の4つの地方自治体で実施されているもので、ここでは幾度もの紛争の勃発により安全を脅かされたヒトゥヌ族の多くが強制退去を強いられている。

7月に開始されたこの半年間のプログラムから恩恵を受けているのは、セルバス・デ・リパ(スペイン語で「リパの森」の意味)の村に住むヒトゥヌ族や、近隣の非先住民族コミュニティを含む約350人である。

プロジェクトの実施にあたるNGO団体「シデモス」を中心に、絶滅の危機に瀕した部族のメンバーたちは、マチェテと呼ばれる刀を使用して生い茂った熱帯林を切り開き、ヤシのわらぶき屋根の家の近くにサッカー場を作った。ゴールポストは竹で作られ、選手は最初に布製のサッカーボールを使用した。

ブカラマンガ北部の町に拠点を置くNGO団体「シデモス」は、コロンビアの若者への支援を専門としており、UNHCRと協同事業を実施するのは初めてである。当団体から派遣されたコーチ陣は、これまで毎週異なるコミュニティで技術指導や試合を実施してきた。また、練習用の胸当てと60個以上ものサッカーボールが支給された。

コーチ陣が選手たちに試合の説明をするが、意欲的な選手たちは各々の経験を生かして自ら試合のレフェリーを務める。こうした経験によって、選手たちはチームワーク、規律を守ること、仲間意識、そしてもちろん、「フェア・プレー」を学ぶ。各セッションの終わりには、選手たちは座って試合について語り合う。

当プログラムはまた、近隣コミュニティとの平和的な関係づくりに役立っている。14歳の少女マリアのような子どもが、隣の村の子どもとプレーをし、友達を作ることができるようになったのは初めてである。コーチ陣の1人エクトル・ムニョス氏は、「若者、特に紛争地域に住む人のために新しい機会を創造し、余暇にスポーツを楽しんでもらう時が来た」と話す。

コロンビア憲法裁判所は昨年、500人前後しか生存が確認されていないヒトゥヌ族を含む34の絶滅の危機に瀕した先住民族をリストアップし、政府に彼らを保護するための措置を取るよう要請した。昨年6月、1人の教師が暗殺された後、86人のヒトゥヌ族がアラウカの家を逃れることとなった。

彼らの領域内に潜む不法武装組織の存在のほか、ヒトゥヌ族の生活は地雷によって脅かされており、さらに若者は武装組織に強制的に入隊させられる危険性をも孕んでいる。こうした危険により、彼らの移動の自由、健康、遊牧民的な生活様式、狩猟採集能力は制限されてきた。

UNHCRとFCバルセロナ財団は2008年、難民の子どもたちのために、スポーツや教育活動を推進し、彼らに日常生活で必要な技能を教えることを目的とした協力協定に調印した。当協定により、最初の3年間は、エクアドル、ルワンダ、ネパールの人も援助対象となる。

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