UNHCR、日本の最新デジタル無線技術を試用

UNHCRは実践さながらの状況下で最新デジタル技術の試用に成功した。
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UNHCRジュネーブ(10月8日)発:
ドイツのノイハウゼンで行われていた危機管理に関するワークショップを機に、UNHCRの緊急通信手段はデジタル時代に突入した。ワークショップ参加者は初めて、実際の状況にもっとも近い環境の中で、UNHCRのこの最新無線技術を試用した。

この技術の飛躍を可能にするため、緊急安全管理調達課は日本のアイコム株式会社(ICOM Inc.)の製品である最新式の無電装置を使用した。

ステファン・イムバートン(Stephane Imberton) UNHCR緊急通信コーディネーターは、「試用したシステムはデジタル・アナログ両方の送受信が可能であり、旧システムからの移行が途切れなく、円滑に行われる。また現在使用している機材も引き続き使用することができるため、UNHCRの通信手段のデジタル化を段階的に進めることができ、費用効率も良い」と述べた。

今回のワークショップで使用されたICOMの機材は最近、低価格音声無線として承認されたばかりの開路デジタル規格のデジタル移動無線「デジタル・モバイル・ラジオ(dPMR)」である。技術的には、この新しい規格によって、高質な音声と6.25 キロヘルツのデータ回線容量の提供が、一般に使用されているアナログ無線チャンネルの半分の大きさで可能となる。つまり、UNHCRは同じ周波数スペクトルで無線使用者数を2倍にすることができるのだ。

今回のワークショップに参加した41名のスタッフは参加して間もなく、この新しい技術の利点について確認している。参加者の1人は「以前、アフガニスタンの任務で旧無線システムを使用した際、信号の混線や電波にノイズが入ることが頻繁に起きた。今回の訓練で試用した新型無線は、たとえ交信距離の周辺部であっても確実かつ明確な通信回線であることが証明された」と述べている。

UNHCRの無線通信のセキュリティーの全体的な向上もデジタル化の大きな要因である。今回の新機能は個別の無線使用、盗聴防止、即時のユーザー識別などと言った機能のみならず、複数のチームによる一団回線をも実現可能となる。

世界的なデジタル無線通信の投入には時間が掛かるが、このdPRM規格は、既存の機材と機能を保ちつつ、アナログからデジタルへの移行を円滑に進める手助けとなる。