グテーレス高等弁務官、終わりなき難民の増加に警告

グテーレス高等弁務官は4日、ジュネーブで61回目となるUNHCR執行委員会を開会した
© UNHCR/J.-M.Ferre

UNHCRジュネーブ(10月4日)発

アントニオ・グテーレス高等弁務官は長期化する紛争の増加が終わりなき難民の増加に警鐘をならした。これによって、移動を余儀なくされている世界の4300万人もの人々に対し、さらなる保護が必要であると訴えた。

一年に一度行われるUNHCR執行委員会(ExCom)の開会で、グテーレス高等弁務官は難民や国内避難民、庇護者、無国籍者、そして保護を必要とする人の置かれている状況が一段と複雑化していると述べた。

「私たちは終わりなき難民の増加に直面している。昨年は自主的帰還者数が過去20年で最も少なかった。紛争の形態の変化と複雑さが、平和の実現と維持を困難にしている。」と加えた。

グテーレス高等弁務官は何十年も戦火の絶えないアフガニスタンやソマリアの例を挙げ、「国際社会で一致団結し、責任分担をする必要がある。正しい理解と認識を国際社会、及び受け入れ国が共有することが必要だ。」と語った。

先進国に対しては、帰還も定住も出来ない人のための恒久的解決である、第三国定住の受け入れを増やすよう訴えた。2008年6月以降、12か国が新たに第三国定住プログラムを開始しているが、第三国定住を必要とする人の数に、いまだ受け入れが追いついていないのが現状である。

さらに難民のほかにも、避難を余儀なくされた人がいることにも触れた。天災によって避難を余儀なくされた人、紛争によって国内で避難生活を送る2700万人、無国籍状態から抜け出せずにいる約1200万人などが含まれている。昨今起きたパキスタン洪水でUNHCRは、天災時における役割がますます増えていることを痛感ている。

国内避難民問題に関しては、国連機関及び赤十字と赤新月社運動、国内外のNGOの連携が進んでいると述べたつつも、責務は国家にあり、アフリカの国内避難民の保護と支援条約(カンパラ条約)(Convention on the Protection and Assistance to Internally Displaced Persons in Africa)への批准を促した。

無国籍問題に関しては、多くの国が法律の見直しを通して無国籍状態を減らす動きを見せていることを評価した。これらの国にはベトナム、バングラディッシュ、ジンバブエ、ケニア、そしてチュニジアが含まれる。

来年はUNHCR、及び難民条約の60周年や初代高等弁務官フリチョフ・ナンセン(Fridtjof Nansen)の生誕150周年など節目の年となる。グテーレス高等弁務官は、このような年を機に活動、条約、保護のさらなる拡充に決意を新たに取り組んでいきたいと述べた。

詳細はこちら(英語)