2012年世界難民の日に寄せて アンジェリーナ・ジョリーUNHCR特使

シリアを訪問し、難民に寄り添うアンジェリーナ・ジョリー(2009年)
© UNHCR/S.Malkawi

2012年6月スイス、ジュネーブ発
世界難民の日に寄せて、UNHCR特使アンジェリーナ・ジョリーからのメッセージ

国連難民高等弁務官(UNHCR)は、避難を強いられる人が、それは一人でも多すぎると思います。難民一人ひとりに事情があり、物語があります。私には想像できないほどの苦しい状況を耐え、困難を乗りこえ、生きる努力をしています。

私たちは多くの場合、難民問題を数字で表現します。大きな数字は、一人ひとりの難民の存在を忘れる危険性をはらみながらも、数字は重要なことも示唆しています。昨年、430万人が住む場所を追われました。アフガンを逃れた難民はいまだに270万人もいます。世界には1200万人の無国籍者がいます。そして、世界中で避難を強いられる人の数は5年連続で4,200万人を超えています。
悲しいことに、一度難民になってしまうと、その状態からなかなか抜けすことができません。多くの場合、難民キャンプや、開発途上国の都市部で不安定な生活を長きにわたって強いられることになります。UNHCRが保護する難民の7割が、5年以上このような状況におかれています。彼らの安全とかろうじての生活は、難民に国境を開放し続ける寛容さ、またいかなる場所へも必要に応じて人道支援を提供するという圧倒的な努力にかかっています。
残念なことに、国際社会が難民問題の解決に到達するよりも早いペースで、世界に難民が生まれています。そしてその問題は必ずしも人道的なものばかりではなく、政治的側面もあります。国際社会は、紛争を未然に防ぎ、勃発があれば即座に対処し、より早い解決を目指すことに、今再び専念すべきです。これは困難を克服する強さを持ち得た難民に思いをはせる「世界難民の日」に、改めて難民を守るための、恒久的な解決策を生み出す唯一の方法であるからです。

アンジェリーナ・ジョリー、2012年6月20日

※UNHCRは、「世界難民の日」に、アンジェリーナ・ジョリー特使からシリア難民のために新たに寄せられた10万米ドルの寄付に対して、感謝の意を表します。