【プレスリリース】「難民に関するグローバル・コンパクト」採択 ー国際社会が歴史的な合意へ
【プレスリリース】「難民に関するグローバル・コンパクト」採択 ー国際社会が歴史的な合意へ
ルワンダの首都キガリに逃れてきたブルンジ難民の女性。兄と一緒に、調理用ガスを販売する会社を立ち上げた
国連総会の加盟国は、「難民に関するグローバル・コンパクト(Global Compact on Refugees)」と呼ばれる新たな国際的枠組みに歴史的な合意を行いました。
これは、大規模な強制移動や難民危機への国際社会の対応の在り方を転換し、難民と受け入れコミュニティの双方に利益をもたらすものです、フィリッポ・グランディ国連難民高等弁務官は「どの国も、大量の難民流入に単独で対応すべきではありません。難民危機には責任の国際的な分かち合いが必要であり、このコンパクトは、分断が進む今日の世界において、私たちがいかに協力できるかを力強く示すものです」と話しました。
「難民に関するグローバル・コンパクト」は、UNHCRに関する今年の年次決議の一環として合意されました。1951年難民条約をはじめとする既存の国際難民法制度、人権法および人道法に基づくものであり、協力を強化するための法的拘束力のない実務的な枠組みです。
UNHCRが主導し、加盟国、国際機関、難民、市民社会、民間セクター、専門家との2年にわたる広範な協議を経て合意されたこの新たなグローバル枠組みは、世界で最も多くの難民を受け入れている国々に対する支援をより強固なものとします。また、紛争や迫害によって故郷を追われた人々を支援するという、国際社会の共通責任を一層強化します。
「このコンパクトは、責任の共有という理念を、具体的かつ実践的な措置へと落とし込み、難民が政治情勢の変化に翻弄されることのないようにするものです。多数の難民を受け入れている国々が、私たち共通の人間性に対して計り知れない貢献をしていることを、ようやく正当に評価するものであり、国際社会がどのようにその負担を分かち合えるのかを示しています」と、グランディ高等弁務官は話しています。
「難民に関するグローバル・コンパクト」は、世界で6,850万人以上が強制的に故郷を追われ、そのうち2,540万人以上が国境を越えて難民となっているという、過去最大規模のの強制移動が続くなかで採択されました。
難民の10人に9人は、保健や教育といった基礎的サービスがすでにひっ迫している開発途上国に暮らしています。グローバル・コンパクトは、政府および民間セクターからの投資を拡大し、難民と受け入れコミュニティ双方のためにインフラやサービス提供を強化することで、この課題に対応することを目指しています。また、難民が教育にアクセスし、避難生活の中でも生産的な生活を送れるようにするための政策や措置も盛り込まれています。さらに、難民受け入れによる環境への影響への対応や、代替エネルギーの利用促進も含まれています。
また、難民が安全に移動できるよう、第三国定住の拡大や、家族の再統合、奨学金、⼈道ビザなど、さまざまな受け入れの機会を広げることも掲げています。同時に、多くの難民状況においては、安全と尊厳が確保された自主的帰還が、依然として望ましい解決策であることも確認しています。
この新たな枠組みでは、進捗状況を追跡するためのフォローアップ体制が設けられ、4年ごとに開催される「グローバル難民フォーラム」において、各国政府が資金拠出、政策、法制度の変更、第三国定住枠など、さまざまな取り組みについて報告および宣言を行うこととされています。
「難民に関するグローバル・コンパクト」が国連総会で採択されたのは、モロッコの首都マラケシュで政府間会合が「安全で秩序ある正規の移住のためのグローバル・コンパクト」を採択してから数日後のことで、今週後半に国連総会に提出される予定です。
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